小2息子のポケモン映画評
小さなころからテレビを見せてなかったこともあって、小2の息子にとってのメディアと言えばipadでした。
また、僕自身が各種メディアサービス(プライムとかアレとかコレとか…)にかたっぱしから入会していた時期もありまして、彼の持っているipadは、どんな動画でも見れる魔法のアイテムでした。自分の幼少期にそんな環境だったりしたらと、想像するだけでパラダイス間違いなしですね。
当初は、電車に関する動画や機関車トーマスなんかを好んで見ていたのですが、やはり行きつくところはポケモンです。
長時間の動画にまだ耐えられなかった頃の彼にとって、30分(正確には23分くらい?)で1話が完結するポケモンの地上波は、まさにうってつけだったというわけです。
「ベストウィッシュの4話でさあ」と話しかけられ、全くわからないでいると、理不尽にがっかりされることも日常茶飯事でした。ほとんどのシーズン、ほとんどのエピソードで何があったか、すんなり記憶している彼の脳細胞が羨ましかったりしました。
そして劇場版へ
そんな長男ですが、段々と成長します。30分以上の動画も楽しめるようになってきました。当然のなりゆきで、次に彼が欲したのは「劇場版ポケットモンスター」です。
当然と言えば当然なのですが、地上波よりもコストがかかっている分、かなりしっかりと美しい仕上がりになっているようですね。そりゃ、子供も夢中になるんだろうなあ。「クレヨンしんちゃん」と並んで『涙がほろり』するシーンもあったりするようですね。
はい、ここで「ようです」とか「ようですね」と伝聞みたいな言い方をしましたが、実は僕はほとんどの劇場版を知りません。唯一見たのが「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」です。これは子供と一緒に4DXの映画館で鑑賞しました。今まであまり興味がなかったのですが、座席が動く、煙幕がたかれる、水しぶきが舞う、こんな要素であれだけ楽しめるとは思っていませんでした。
どうだった? と夢中になってスクリーンを見ている息子に訊くと「すっごいおもしろかった」と彼も満足していたようです。
ちょっと前置きが長くなりましたが、今回は彼のオススメするポケモン映画2つと、彼が二度と見たくないと言っていたポケモン映画ひとつのご紹介です。
No.1「 神速のゲノセクト ミュウツー覚醒」
はい、いきなり1位からご紹介です。
もちろんカントー世代の僕にとっても特別なポケモンです。彼にとってもミュウツーは特別なのでしょうか。
何か家事をしている僕、ipadを凝視している息子。そんな風景を想像してください。
「お、なんか見てるな」と思っていたのですが、息子は観始めのところでは不満そうでした。
「ねえ、パパ。ミュウツーがおばちゃんの声になってるんだよ」
と声優をされていた高島礼子さんに最大限の毒を吐いておりました。僕も『あの高島礼子さんが!』というのは知らなかったので、なんでだろうねえなんて呑気な事を言って家事を続けておりましたが、突如彼の号泣する声で、食器洗いか何かを中断するハメになりました。
「おいおい、なんで泣いてんだ?」と訊くもしゃくりあげていて説明が難しいようです。ストーリーの全容は理解しておりませんが、どうやら『泣きのシーン』だったようです。
まあ、そんなことはありましたが、
「うーん、やっぱり一番好きなのはゲノセクトの映画かなあ」
と今でも言っておりますので、悲しいシーンはあれど、彼にとってNo.1の映画のようです。僕はよくストーリーがわかっていません。
No.2「ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」
やはり、映画館のスクリーンで見るのは特別なのでしょうか? 親子で行ったこの映画が第2位とのことです。
僕自身がホント読解力がなくて申し訳ないんですが、僕自身は『ミュウはいったい何しにきたんだ?』と思いながら鑑賞しました。まあ、それは些細なことで、壮大なテーマだし、子供にはまだ早いかな? とも思ったのですが楽しんでもらえたようで何よりです。
「ギャラドスがザッパーンって泳ぐときに水がパシャーって出たんだよね」と4DXの強みも記憶しているようです。
ネタバレになるのであまり詳しいことは申し上げられませんが、「現代の技術を使うとこんな風になるのか!」と感動するくらい、すさまじい画面の表現力です。
そして、もちろん、サトシくんがアレして、ああなってしまうシーンでは息子は少し泣いていました。何度見てもピカチューがアレするシーンはほろりとするようです。
うん、確かに名シーンだ。
もう見たくないNo.1「ミュウと波導の勇者 ルカリオ」
「ねえ、パパこの映画が出てこないように出来ないかなあ」
なんのこっちゃと思って話を聞いてみたところ、『選択肢としてそこにあることすら辛い』とのことです。つまり、「ポケモン」という単語でネットサービスを検索しても画面にすら登場して欲しくないようです。
ちょっとつまらない映画だなあ、という感想だったら別にそこまで思わないはずですので、疑問に思った僕は妻にきいてみました。
「ちょっと! その映画絶対見せないでね、毎回毎回ひきつけおこすくらい号泣するから!」とのことでした。
どういう事? と思って息子につっこんで訊いてみると「わかっていても毎回号泣してしまう、ただ選択肢としてそこにあると、どうしても見たくなってしまう』映画のようですね。なんという依存性中毒性のある映画でしょう。逆に気になってきました。
理解出来るのも成長
僕自身は記憶にないのですが、幼かった頃「フランダースの犬」を見て号泣したことがあったようです。
息子は僕の幼少期に輪をかけてよく泣くのかも知れません。悲しいシーンには、こちらが心配になるくらい共鳴するタイプの可能性もあります。
ただ、そうやってストーリーに共鳴出来るようになったのもひとつの成長だと思うのです。もっと幼いころに『ラピュタ』を見せたことがありましたが、空中戦するシーンだけを見たがり、他のシーンは全て早送りさせられました。
それが30分の物語を理解し、30分ものを2話連続で見れるようになり、今では映画を楽しんでおります。
「ちょっと感受性が強すぎるのかも、あんなに映画見て泣く子っているのかな」と妻はいいますが、呑気な僕は「誰かの気持ちがわからないよりは、全然いいんじゃない?」と答えています。